やさしい あくま

あのひとは悪魔 私をとりこにする やさしい悪魔

KinKi Kids アリーナツアーの今更感想?

2016年11月02日、KinKi Kidsのアリーナツアーが福岡にて終了しました。

関東在住の私ですが武道館公演はもちろん落選。10月22日の北海道公演になんとか当選し参加しました。既に1ヶ月経ってるけどあの日は寒かったなぁ…。

最新アルバムに収録されている『なんねんたっても』に「生涯 晩年になって 思い出したいんだ 鮮やかな場面を できるだけ多くの今日という日を」という歌詞があるんですが、アルバムを聴いていてもコンサートで聴いていても、この歌詞に「全面的に!それなー!(語彙力皆無)」と同意しているのにやっぱり1回しか見られなかった公演を隅から隅まで全部覚えておくのは至難の業ですね。そもそも20年以上応援しているグループのアニバーサリーに心を動かされないわけがないし、公演中は昨年華々しい20周年ツアーを完走したV6のことを思い出したりもしたので、3時間の公演はいつも以上に胸がいっぱいでキャパオーバーでした。

 

 

そんなこんなでいろいろ感じたことを、これ以上忘れてしまう前に書き留めておこうと思います。

 

 

 

書き記す際にV6のツアーとの違いを出すのがまとめやすかったのでなにかと比較していますが、『みんなちがってみんないい』のDD精神で生きていますのでご了承ください。
また、ファンの皆様の素敵なポエム(と敢えて呼ぶ)をたくさん目にしたので感化されている表現があったら大目に見てください。

 

 

 

ソロについて

V6は20周年だから6人が一緒にいることに重点を置いた演出が多かった*1しトニカミ曲はあれどもソロはありませんでしたが、KinKiは20周年だからこそソロの披露があったように思います。

 

 

何年かジャニヲタをやっていて感じるのが、10周年まではグループの名売り、それを越えたら個々の名売りが必要、だということ。

KinKiも例に漏れずソロ活動に邁進してきたここ10~15年でした。

 

 

ジャニーズでも役者だったり司会だったりあらゆるジャンルを極めていこうとしている人がいるけれど、光一さんとつよしさんが選んだのは音楽で、それはふたりの原点となる番組『LOVELOVEあいしてる』があったからでしょうけど、その音楽の中でふたりが選択したのは全く違うジャンルでした。

ふたりの才能を業界がほっとくわけもなく、毎年充実したソロ活動をしていますが、2015年の夏にそれぞれが同じような日程でアリーナソロツアーを組んでいたときは「何故!KinKiコンで全国回らないんだ!!」とファンから嘆きの声があがったものです。

ソロも初期は友情出演のような演出があったりMC中に電話したりしてたんけど、気付けば「お互いのソロ中にお互いの話は出さない」って空気が当たり前の光景になっていって*2、そこに対してファンとして寂しさもグループ活動の意味も考えたし不安になった過去もあります。けどまぁ最近は割り切ることも必要なのかなって、諦めともまた違う消化の仕方をしてきたわけです。

 

 

そんな気持ちで迎えたKinKiアリーナコンサートで「お互いのソロ活動を知らない人も、こういうことしてるんだ~って観てください」との言葉があり、光一さんからは『Danger Zone』『INTERACTIONAL』『Slave Maker』、つよしさんからは『街』ファンクアレンジの『たよりにしてまっせ』そしてKinKiコンではなかなかない長尺でファンキーなバンドセッションを魅せてくれました。『Slave Maker』ではつよしさんが登場してギターをかき鳴らし、バンドセッションでは光一さんがお誕生日プレゼントのトロンボーンを楽しそうに操る姿も!

他グループファンでコンサートの自担ソロを楽しみにしている方もいると思いますが、KinKiコン内のソロコーナーは多分Φコン(2007~2008年コン)以来。

ふたりの経験値のチカラか選曲のチカラか、KinKiコンに来ているはずなのに「あれ私今光一さんのソロコン観てる…?」「あれ私今つよしさんのソロコン観てる…?」って錯覚に陥ったのが非常に新鮮でした。Φまではあくまでも"KinKiの光一さんソロ""KinKiのつよしさんソロ"だったのに、今回は空気がガラッと変わってお互いが会場を俺色に染めていたのが楽しかったし興奮した!*3指示もないのにソロ中ペンラの色をメンバーカラーに変える客席が愛おしかった!

この演出に加えて、NHK『SONGS』を視聴した直後の今「(お互いのソロはお互いが)到底入れない世界をやるべき」「(グループでは)二人以外のアーティストが到底入れないような世界を確立していくイメージ」とつよしさんが語った言葉は、ストンと心に落ちてきます。本人達もこう考えるまでに葛藤があったかもわかりませんが、とにかくソロ活動に対して不安を抱いていたかつての自分に伝えてあげたいです。

 

 

そしてソロコーナーの流れで『薔薇と太陽』の前奏が聴こえた瞬間には鳥肌が立ったのを覚えています。

光一さんが踊りつよしさんがギターを演奏するこの演出、あくまでも偶然の産物でありいわゆる怪我の功名?と言っていいもの?かもわかりませんが、10周年以降ふたりのこだわってきた仕事のプロっぷりが端的に表れていて大好きな演出です。そもそもこの『薔薇と太陽』での一連の決定がなければソロコーナーもなかったような気すら、私はしているんですよね。口ずさみやすい旋律とは違うかな?とも思うけどすごく耳なじみのいい歌謡曲で、吉井さんに素敵な楽曲をいただけて嬉しいな~と聴くたびに感謝してます。

後ろに続く『Unlock Baby』『Plugin Love』『Fall Dance』まで踊りと演奏のセパレートだったかな…忘れてるから早く映像化してほしい…。

 

 

 

自作曲について

V6の『~此処から~』最近ではSexyZoneの『STAGE』など、アニバーサリーにメンバーが想いをしたためる楽曲はファンの宝物ですよね。

全員が作詞に参加しなくたって、メンバーやファンや周囲のスタッフ等に対する感謝を歌で表現するのは素敵だしこんなタイミングじゃないとできないよなぁと思っています。

 

 

KinKiはかの名曲『愛のかたまり』を始め多くの合作を世に送り出してきました。数えるのは割愛するけど、絶対にベストアルバムは作れる!

私は20周年のKinKi活動を想像したときに「全部新曲全部自作のアルバム*4が発売されたりして…!?」なんて予想していましたが、蓋を開ければ本人が制作に直接携わったのはつよしさん作(曲は堂島孝平さんと共作)『陽炎~Kagiroi~』のみだったから「あーやっぱり私の安直な考えには乗っからないキッズー!くぅー!」と笑ったものです。

ふたりにはファンへの想いとかよりも隣の人への想いを綴ってほしいftr派の私ですが、あのアマノジャクで照れ屋な人(だと勝手に思ってる)がそういうことするか?と考え直すと現状に納得しますけど。

 

 

『陽炎~Kagiroi~』はつよしさん作詞なだけあって歌詞を読む前から難解だと決めつけているんですが、個人的につよし詞は人生の答え合わせをする教科書って位置づけで…発売当時はわかるようでわからない一言も、人生でとある境遇になったときに「あ、こういうことだったんだね、つよしさん…!」って気付くことが多々あるんです。これは私とつよしさんの実年齢差や精神年齢差もあるんだろうけど、だから陽炎はその日が来るのを楽しみにしています。

この曲を作詞以外で読み解こうとすると…歌割がまるで20周年のロゴの如く複雑に絡み合っていて単刀直入に言うとエロいなって思います。真顔。つよしさんって、堂本光一堂本剛の他に、KinKiKidsっていう個体を作りたい欲があるのではと以前から感じていて*5、この、ふたりで歌っているのにひとりかのような歌唱が「(グループでは)二人以外のアーティストが到底入れないような世界を確立していくイメージ」を体現しているようで、なんてこわい人だ…とも思います…。こわい…。他の誰かに歌わせる気なんてさらさらない…。

 

 

自作曲ではないしKinKiのために書き下ろしたものでもないそうなのですが、堂島孝平さんの『なんねんたっても』はアニバーサリーのタイミングで聴くのにグッとくる曲ですね。

制作されたMVでは、過去のKinKiシングルPVを現在のKinKiが見ている設定で「ちょっと待ってこんな設定泣いちゃうよぉ~><」って思って映像再生したらボケ倒すふたりにずっとニヤニヤして終わってしまいました。きんきちぁんすぐボケる(かわいい)

コンサートのアンコールでは『夜を止めてくれ』の「どうかこの夜を止めてくれ」に全力同意したあと『なんねんたっても』の「生涯~」(冒頭で話した歌詞)や「なんねんたってだって 大事にしたい気持ちってあるよ」にも全力同意していました。

本当にね、KinKiを好きだった今までをこれからも大事にしたいし、ふたりも末永くKinKiを大事にしていっていただけたらこんなに幸せなファンサはないです。

 

 

 

感情への訴えかけ方について

んんん~なんかもっと上手い言い回しはないものか…。

とにかく言いたいことというと、V6は『数字で見る、6人が巡り会えた奇跡の軌跡』とか『全シングルメドレー(39Symphony)』とか『6人の決意過去映像(民放局からお借りしました)』とか『リボンメッセージでファンから想いを伝えようサプライズ*6』とか、20周年を静止点とした上で感動ポイントをたくさん設けてくれたので遠慮なく泣けたし、これぞ!アニバーサリー!と感じたんですけど、まぁ~今回のKinKiはそういう情に訴えてこない演出だなぁと思いました。

「泣くのが良いコンサートだ」ってこだわりもないし、かといって「あの場面で泣かなかったなんてKinKiファン失格です」とも言われたくないんだけど、私はとにもかくにも3時間必死になって観てMCではめちゃくちゃ笑って*7、あちらも「シングル全部やるぞ!」って意気込みもなけりゃ、堂島さんが類似単語をツイートした『KinKi Kids forever』も歌わず、そもそも最新アルバムがKinKi比近年稀にみるポップな仕上がりで心中感も薄かった(笑)し、振り返ろうというよりも今現在のKinKiはこんな感じです、くらいのノリに感じられて、この20周年ツアーは想定外でした。

 

 

"こんな感じ"に至るまでの道のりは、ただのファンは想像することしかできないしむしろ本人達は想像されたくもないでしょうけど(笑)イメージとして光一さんは「努力はして当然でしょ」つよしさんは「好きでやってることなんで努力って感じでもないです」を積み重ねる人という印象で、そんなふたりがお互い出来うる限り偉い人と調整したり、見えない壁をガリガリ削ったり、時には「ファンのみんなの声が必要です」と伝えてくれたり、そうした結果フラットでサラリとした恰好の良い今の"こんな感じ"が成り立っているんだろうな、なんて。邪推かもしれませんが。

まるでロングジャケットをふわりと翻すみたいに軽やかにターンして背中を見せてくれるKinKi、好きになったときからずっといつまでも憧れの存在で、そんなふたりの20周年をもっともっと味わい尽くしたいものです。

そんなこと言ったら『ギラ☆ギラ』の歌詞「お気に召すまま味わって ご自由に」って言われそう。はいはい、勝手に美味しくいただきます~。

*1:外周を6人並んで歩く姿は微笑ましさの象徴だった。

*2:そうなってからのソロしか現場に行っていないし幼かったので事の経緯は…。だからSHOCK1000回達成公演でつよしさんが登場したのは本当に驚いたし、でも他グループでソロ仕事に顔出すことにここまでの高いハードルないよ、って悲しくもなりました。

*3:「ソロのときのバンドメンバーとは違うから、このメンバーで出来る音作りをする」といったニュアンスの話をつよしさんはしていたし光一さんもおそらく同様の意見だと思うけど、どちらも充分なくらいソロのお姿を堪能できました。

*4:以前のKinKi生ラジオで、合作アルバム出したがるつよしさんと乗り気じゃない光一さんの攻防戦面白かったけど(笑)提供曲を今は歌いたい・曲を生み出す気分じゃない光一さんの心境はなんかわかる。

*5:『Time』のPVで「ふたりの顔を合成したクローン作らない?」って提案したんだったかな。

*6:エゴサするメンバーもいるなか見事にサプライズを成功させたのは本当にすごいよね。

*7:だってハエ回だった…。きんきちぁんうんこうんこ言ってた…。